[1999.11.09]
  宇宙への回帰


 ▼ここまで進んだ惑星間インターネット構想(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/planet1.html


 電話などのボイスネットワークが地球を張り巡らすまで,いったい何年かかった? TVネットワークは何年かかった? それと比べたら,ワイヤードネットワークの進化速度の,異常さ,はすぐに気がつくだろう。人間が,そんなものを作り出せると思っているのかい??

 インターネットの父とも呼ばれるビント・サーフ氏は先月ホワイトハウスでのプレゼンテーションで,「2040年までには安定した惑星間通信バックボーンを構築できるだろう」と語った。2001年に打ち上げ予定の火星着陸船は,独自のインターネットサービスで地球と相互通信する。これにより火星と毎秒11Kbpsでデータをやり取りできる。将来的には,火星軌道上に静止中継衛星を飛ばすことで,1Mbpsでのデータ伝送が可能になり,地球に居ながらにして火星上を眺めることができるという。

 以前の記事でちょっとだけ名前を出したビント・サーフ(過去記事)。現在は,MCIワールドコム社のインターネット構造及び技術部門の上級副社長という役割だが,云わずもがな,ワイヤードネットワークの中枢神経である,TCP/IPを作り上げた人物だ。ニュースでは人間の話ではなく,ロボットとのやり取りの話になっているが,その先の,人間が宇宙へと出たときに気軽にやり取りができるネットワークを作りだすことは,いつか手を付けなければいけない問題だろう。

 だが,これは簡単に地球上のインターネットの拡大だろうか。電波っぽいが,もともと,ワイヤードの発祥の源には地球外の生命体との接触が噂される(過去記事)。そして人知を超える,普及と進化。常に,人間の目に見えないなにものかの存在が懸念される。それは,ネットワークの物理的な神,かもしれないし,人の心の底に眠るネットワークを求める願いかもしれない。または,ネットワークは,その発想を人間に与えた宇宙へ,回帰していくものかもしれない。


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